オーランド空港からホテルまでやってきてチェックインをすませ、車椅子をレンタルしました。
車椅子のレンタルについては、こちらの記事をご覧ください。
「さあ本場のパークに遊びに行くぞ!」
「スプリングスに買い物に行くぞ!」
という気分になりますよね。
けれどここでもまた、疑問や不安が。
「パークやスプリングスまではどうやって移動したらいいの?」
「 ディズニー直営のホテルからの送迎バスに乗れるの?」
「 パークやスプリングスでの車椅子の利用はどんな感じなの?」
そういった悩みがある方に向けて、足の不自由な母親と行った体験談をもとに、パークやスプリングスでの車椅子の移動や待遇についてご紹介します。
無料送迎バス
ディズニー直営ホテルに宿泊すると、そのホテルから各パークやスプリングスに向かう無料の送迎バスに乗ることができます。
こういうサービスもあることから、直営ホテルに泊まるのがおすすめです。
フェリーやモノレールが近くにあるホテルもありますが、私達が泊まったポップセンチュリーからは、バスが一番近く、便利でした。
フェリーはバスよりも時間にルーズなことがあるらしく、モノレールは乗る機会がなかったので、どちらも利用していません。
ですからここでは、バスでの車椅子の利用法をご説明します。
ホテルから各パークやスプリングスへは?
車椅子に乗ったままでも、ホテルからの無料送迎バスへの乗車が可能です。
バス停には車椅子専用の待機場所がありますので、そこに並んで待っていれば、車椅子を利用をしている人から優先して乗せてくれます。
乗り込む際は、運転手さんが備え付けのスロープを用意してくれますので、お連れの方が車椅子を押し、バスに乗り込みます。
私達が宿泊したポップセンチュリーホテルでは、バス停がたくさんあり、行き先別に分かれていました。
各バス停に、車椅子の待機場所がありました。
※ちょこっとメモ
バスから降りるときは、乗るときと逆で、順番は一番最後です。
他のお客さんが全員降りてから、運転手さんがスロープを用意してくれます。
みんな降りるからと慌てず、スロープが準備されて運転手さんにどうぞと言われるまで、バスに乗って待ちましょう。
※重要
バスから降りるときのスロープは、下り坂になります。
車椅子を押し慣れている方はおわかりかと思いますが、降りるときは後ろ向けに(バックで)進んだ方が安全です。
前向けだと、視点的に座っておられる方に恐怖を与えてしまいますし、スピードが出て危険です。
必ず後ろ向きに降りるようにしましょう。
各パークやスプリングスからホテルへは?
各パークやスプリングスからも折り返しのバスが出ているので、帰りも車椅子で無料バスを利用できます。
東京のパークと同じように、各ホテルによってバス停が分かれており、そこにも車椅子の待機場所があります。
目的のホテルのバス停にある待機場所に並んでいると、行きと同じく一般の方より先に乗車させてくれます。
運転手さんが用意してくれたスロープを使い、お連れの方が押して、バスに乗り込みましょう。
※注意
車椅子が一度に乗れる台数は限られています。
車椅子利用者が多い場合には、順番待ちが発生します。できることなら混雑する時間を避け、余裕を持ってバスを利用することをおすすめします。
※ちょこっとメモ
バスが混雑するのは、時期や曜日、向こうの記念日などによっても違うので、一概には言えません。
が、大体、朝の早い時間から10時頃までの時間は、各パークに向かう便が混雑していた印象があります。
特に、マジックキングダムへのバスが一番混雑していました。他のパーク行きのものよりも便数が多く、次々とバスがやってきていました。
ホテルに帰る便は、やはり夜の花火などの人気のショーが終わった直後が、一番混雑します。日本と同じですね。
特に帰りは、バスが混雑してなかなか乗れず、ホテルに着くのが最悪深夜になってしまうこともあります。
ですので、これらの時間をなるべく避けるのがポイントになります。
各パーク内やスプリングスでの車椅子移動
各パーク内やスプリングスでももちろん、車椅子を押して歩くことができます。
日本のディズニーリゾートよりも道幅が広く、坂が少ない印象で、車椅子も押しやすかった記憶があります。
どこのお店も入り口は、フラットまたはスロープがあり、わざわざ車椅子を降りて階段を使わなければならない、ということはありませんでした。
フロリダでは電動を含む車椅子、ベビーカーの利用者が日本とは比較にならないほど多いです。
特に電動車椅子がかなり多い印象でした。
そんな理由からなのか、店内や並ぶ列などの幅は、しっかりと考慮されている感じを受けます。
車椅子を押す方にとっても、安心感があります。
パーク内のおみやげもの屋さん
どこのショップも店内が広く、通路の幅も結構余裕があります。
人がたくさんいても、日本のパークのように身動きが取れなくなる、といったことは起こりませんでした。
車椅子を押していても、ゆっくりと見て回れます。
飲食店
カウンターサービスの飲食店でも、注文カウンターの列やイートインスペースともに、日本のように狭いと感じることは少なかったです。
車椅子に座った母に食事が乗ったトレーを持ってもらいながら押したのですが、通路にも余裕があり、歩くのも楽でした。
また、テーブルの近くに車椅子を置き、席に移って食事をしましたが、他のお客さんの邪魔になることがないくらい、広々としているところが多かったように思います。
※テーブルサービスのレストランには入っていないので、カウンターサービスの飲食店だけの印象です。
ディズニースプリングス
スプリングスは、パークよりも混雑している時間もありました。
中でも世界で一番大きなディズニーショップの「ワールドオブディズニー」は、お客さんの入りもなかなかでした。
それでも、日本のディズニーストアやボンボヤージュのように通路が狭く感じることもなく、車椅子を押してのショッピングも楽しむことができました。
大人気のサンドウィッチ屋さんである「アールオブサンドウィッチ」は、時間によってはとても混雑します。
私達が行った18時頃も、かなりの行列でした。
このお店は店内もそこまで広くはなく、東京のパークのカウンタサービスのレストランと同じく、車椅子で並ぶには狭いなと感じました。
けれど、ここでも車椅子を利用している方はたくさんいらっしゃり、一般の方に混じって並んでおられるので、気後れすることなく並びましょう。
メニューを見ながら、どれにする? なんておしゃべりしていれば、並んでいる時間なんてすぐに過ぎてしまいますよ。
ショーやアトラクションでの車椅子の扱い
車椅子を利用している方は、ショーやアトラクション、パレードではどういう扱いになるのでしょうか。
これは日本のパークとほぼ変わりませんが、一応項目別にご紹介します。
各パークのアトラクション
車椅子のまま乗り物などに乗れるものもありますし、降りて乗らないといけないもの、どちらも可能なものがあります。
これは並んでいるとき、
「 車椅子のまま乗れるけど、そのまま乗る? それとも乗り物の席に移る?」
という感じでキャストさんから説明されます。
車椅子のまま乗れないものは、
「降りないと乗れないけど大丈夫?」
と聞かれます。
これらを聞かれた場合は、その日の体調などに合わせて、希望を伝えましょう。
英語が苦手な方は特に、車椅子のまま乗れるのか、移動が必要なのか、事前に調べておくことをおすすめします。
詳しくは↑ここに掲載されていますので、一緒に旅行される方と相談しましょう。
あらかじめ決めておくと、キャストさんから質問されたときの英語の返事も準備できますし、焦らずにすむ可能性が高くなります。
またアトラクションによって、車椅子などを利用している方が並ぶ列があったり、一般の方と同じレーンに並ぶものもあります。
これについては、標識による誘導や、キャストさんからの指示に従いましょう。
※ちょこっとメモ
車椅子から乗り物の席に移る場合は、車椅子やベビーカーは専用の停留所に運ばれます。
乗り物から降りたら、お連れの方などがその場に取りに行かなければならないアトラクションもあるので、覚えておきましょう。
各パークのショー
車椅子でのショーの鑑賞についても、日本と大体同じです。
ショーによっても異なりますが、車椅子に乗ったままか、それとも降りて一般の席で鑑賞するか、聞かれるものもあります。
聞かれた場合は、身体の状態等々を考慮し、どちらにするかキャストさんに伝えましょう。
人数のみ聞かれたときは、車椅子専用のスペースに案内されます。
このときは、車椅子に乗ったままの鑑賞です。
同伴の方は、その隣などの席に座ることができます。
また、席がない花火などのショーについては、乗ったままでも、地べたに座って鑑賞するのも、自由なようでした。
私達が、イルミネーションズ:リフレクション・オブ・アース(IllumiNations:Reflections of Earth)を鑑賞したときには、皆さん地べたに座っておられたので、自分達もそうしました。
2019年の夏になくなってしまうのが残念です。
各パークのパレード
これも日本とあまり変わらないと思います。
車椅子優先のエリアがあるのでそこへ行き、キャストさんにそのエリアで鑑賞したいことと、人数を伝えるだけでOKです。
というか、車椅子で優先エリアに近付くと、大体の場合キャストさんから声をかけてくれます。ここで鑑賞しますか? という感じで。
この場合も、車椅子に乗ったまま見ることになります。
同伴の方は、周りの人数が少なければ、車椅子の後ろに立って鑑賞できます。
混雑している場合は、屈んでほしいとキャストさんに言われるので、それに従いましょう。
車椅子の優先エリアがないところでも、小規模なパレードなどが催されることがあります。
その場合は、人がたくさん集まってくるので、安全面からも、どこかで止まって、車椅子に乗ったまま鑑賞する方がいいでしょう。
※ちょこっとメモ
時間が決まっているパレードを見る場合、車椅子などを利用している方は、そんなに長い時間パレード待ちをする必要はありません。
ですが、優先エリア内も先着順です。
フロリダでは、車椅子やベビーカーを利用している方が日本よりも多いので、一番前で見たいなどがあれば、ある程度早めに行っておくことをおすすめします。
各パークのグリーティング
キャラクターとのグリーティングは、車椅子でも一般の方と同じ列に並びます。
このレーンも日本ものより広い印象で、押すのが大変と感じることはありませんでした。
並んでいる間にキャストさんに人数を聞かれますので、その返事をしたあとは、キャラクターと会うのを待つだけです。
キャラクターの前まで行くと、大体の方は車椅子から降りて、キャラクターと挨拶をし、撮影をしていました。
車椅子から降りることができない方も、確か車椅子に乗ったまま撮影をしていたように思います。
※ちょこっとメモ
日本でもそうですが、車椅子に乗っていて、そこから立ち上がろうとすると、キャラクターが迎えにきてくれることがあります。
その場合は、優しく手を取ってくれて、撮影スペースまで連れて行ってくれます。
逆に、車椅子まで送ってくれるキャラクターもいました。
このときも優しく手を取ってくれて、座るのを手伝ってくれます。
ただ、キャラクターのそのときの気分次第みたいなので、迎えにきてくれたり、送ってもらえたらラッキーですよ。
各パークやスプリングスのトイレ
パーク内やスプリングスには、車椅子やベビーカーなどを利用している方に向けた、いわゆる多機能トイレが設置されています。
このトイレは、車椅子に座ったまま入ることができます。
完全な個室になっており、中は広くて荷台とかがあるトイレもあります。
手すりなどの捕まるところも多くあり、安全面から考えても、車椅子やベビーカーを押している方などは、このトイレの利用をおすすめします。
ただし、長居は無用です。
次に使われる方のことを考えて綺麗に使用し、用がすんだら退出しましょう。
※ちょこっとメモ1
人気のアトラクションの近くなど、場所によっては、このトイレを利用する方の行列ができていることもあります。
余裕を持って行動しましょう。
各パークの入り口などで無料でもらえるマップにも場所が載っているので、あらかじめ確認しておくといいと思います。
※ちょこっとメモ2
こういったトイレは特に、汚れている可能性も高いです。
ウェットタオルなど、使い捨ての汚れ落としグッズを準備しておくと安心です。
まとめ
・ディズニー直営のホテルに泊まるのがおすすめ。
・ホテルと、各パークやスプリングスへの往復は、無料送迎バスが便利。
・バスから車椅子で降りるときは、後ろ向けに。
・バスの混雑時間をできるだけ避ける。
・乗りたいアトラクションは、車椅子のまま乗れるのか、乗り物の席に移動が必要かを事前に調べておく。
・多機能トイレを利用する。
上記のようなところでしょうか。
細かいことですが、車椅子でのバスの利用やパーク内の移動、アトラクションなどでの扱い、トイレのことなど、案外気になりますよね。
もし英語が苦手で、どうしても英語でやりとりをしなければならないときでも、先に知っておくことで返事などを考えておくことができますし、余裕ができます。
車椅子を押して回ることへの不安も、この記事を参考にしていただいて、少しでも和らげることができればなと思います。
WDWのキャストさんは、日本にも負けないくらい、親切に接してくれます。
初めて車椅子に乗る、あるいは初めて押す、という方でも、安心して楽しめるのがWDWのいいところの一つです。
悩みも不安もそっちのけで、ぜひ思い切り、本場のディズニーリゾートを楽しんできてください。